プラズマ溶射
プラズマ溶射のプロセス
※引用元:村田ボーリング技研HP(https://www.murata-brg.co.jp/biz/sprayed/plasma)
電気式のプラズマ溶射は、プラズマフレームを使用して行う溶射。プラズマとは、分子が1原子ずつに解離し、そこからさらに電子が放出された超高温のガス状態です。プラズマ溶射法はその超エネルギーを熱源として成膜材料を溶かし、プラズマジェットで加速して母材に叩きつけるようにコーティングします。
加熱温度は10,000℃と超高温。 だからこそ、融点がとても高くて他の表面改質法では扱えなかったセラミックス素材をコーティングできます。また加工中の母材温度は低く150~200℃程度。このため歪みや変形が少ない美しい仕上がりを実現します。
プラズマ溶射は、自溶合金溶射やセラミック溶射、サーメット溶射などに適する方法。耐食性、耐熱性、耐摩耗性に加えて耐摩耗性、耐薬品性、耐熱・断熱性を出したいコーティングに適しています。
プラズマ溶射の特徴
プラズマ溶射の特徴には以下のようなものがあります。
- 高温(10,000℃以上)であることから、高融点のセラミックも溶射可能。
- 歪み、および変形度合いがゼロに近い。
- 溶射材料は粉末状態。分解や気化するような物質を除けば、どのような材料でも溶射可能。
- 皮膜は高密度で基材との密着性が高い。
- 皮膜に気孔が少ないため母材との付着力が強固。
- 不活性ガスを使用。酸化による材料変化の少ない皮膜をつくることができる。
プラズマ溶射の実施例
ベアリング
引用元:トーカロHP(https://www.tocalo.co.jp/solution/field-machinery/)
ベアリング表面では、接続されているモーターや発電機からの微小な電流が漏洩して、放電現象を起こすことがあります。放電により腐食(電食)が発生し、ベアリングの早期劣化が問題になります。このベアリング表面に溶射により絶縁特性を付与しています。
参照元:トーカロHP(https://www.tocalo.co.jp/applied/machinery/machinery_01.html)
アッシング装置 (半導体製造装置部品)
引用元:トーカロHP(https://www.tocalo.co.jp/solution/field-semicon/)
必要のなくなったレジストを除去するアッシング装置の部品でウエハを固定する静電チャック(オレンジ色部分)に溶射適用されています。
参照元:トーカロHP(https://www.tocalo.co.jp/applied/it/it_03.html)
スパッタリング装置部品
(半導体製造装置)
ウエハ上に回路材料となる酸化シリコンやアルミニウムの膜を作るスパッタリング装置の部品(オレンジ色部分)であるシールドやウエハを固定するウエハチャックに溶射が適用されています。
参照元:トーカロHP(https://www.tocalo.co.jp/applied/it/it_02.html)
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※1参照元:デジタルリサーチ「2013年版溶射市場の現状と展望」(2021年12月調査時点)
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