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誘電性

光学材料(光ファイバー)などの電気絶縁性を高めるための技術とは

通電性のない素材(絶縁体)に電圧をかけると、電子が分子の中に留まる性質を示します。これを誘電性といい、とくに多量の電気を溜め込む絶縁体を強誘電体と呼びます。

誘電性は、誘電率と真空の誘電率の比である「比誘電率」で表され、溶射によく使われるアルミナは8.5、ゴム(シリコン)は8.6~8.5、主成分を酸化ケイ素とするクオーツは3.8、酸化アルミニウムを主成分とするサファイアは9.4。なかでもセラミックの一種であるチタン酸バリウムは強誘電体のひとつで、非常に高い比誘電率を誇ります。

この誘電性という性質は、光学材料(光ファイバーなど)ほか、スマートフォン・パソコン・テレビなどの電子部品によく活用されており、必要な電気を流す・一時的に流れをストップする・同じ電気信号のみを通さないようにする、といった役割を果たしています。

このような誘電性を、基材に対して付与できる技術が「溶射加工」です。電気を通しやすい基材に導電性の低い皮膜を形成したり、逆に電気を通しにくい基材に導電性の高い皮膜を形成し、電気伝導性を高めることもできます。もちろん、非金属の基材に電気伝導性を持たせることも、溶射加工であれば可能です。

参照元:チップワンストップHP(https://www.chip1stop.com/sp/knowledge/008_relative-permittivity

電気伝導性とは

電気伝導性とは、電気の伝わりやすさを示すものです。電気伝導率が高いものほど電気抵抗性が低くなり、電化製品等の部品として使いやすくなるという特徴があります。ちなみに銀の電気伝導率は105.7、銅は100.0、金は75.8と高い数値を示します。逆に電気伝導率が低いのはニッケルで24.2、鉄は17.5、鉛は8.1、チタンは4.0となります。

参照元:銅加工.com(https://www.hata-cu.com/blog/post-309/

光学材料(光ファイバー)などの電気絶縁性を高めるための溶射の特徴

コールドスプレー

コールドスプレーとは、数ある溶射方法の中でも新しい方法のひとつ。金属の微細パウダーを超音速で基材へ衝突させ、大気中で皮膜を形成する表面処理法です。材料を高温で溶融したりガス化する必要がなく、固相状態のまま皮膜形成できるのが特徴。そのため、熱変性や皮膜中の酸化を最小限に抑えられるのも特徴のひとつです。

この特性を活かし、コールドスプレーによる銅皮膜は、高い電気伝導性を求める基材に対して効果を発揮。ガスタービン・半導体製品・電池・エネルギー分野など、さまざまなジャンルで幅広く用いられるようになっています。

参照元:
シンコーメタリコンHP(https://www.shinco-metalicon.co.jp/coldspray/coldspray_001.html
プラズマ技研工業HP(http://plasma.co.jp/plasma/cold-spray/

セラミック溶射

セラミックは、電気を通さない電気絶縁性が基本。そのため、溶射加工によってできるセラミック皮膜は誘電層の形成が可能となっています。ただし溶射被膜は多孔性であるため、とくに屋外では吸湿による電気特性の変化が問題となります。気孔をふさぐ封孔処理でこうした変化を抑えることはできますが、さらに効果を高めるには真空状態で液体を含浸させる真空加圧含浸処理を用いることが有効。より良い誘電層の形成が目指せるようになります。

参照元:電気学会 電子図書館(https://www.bookpark.ne.jp/cm/ieej/detail/IEEJ-ZT122002-PDF/

アーク溶射

2本の金属ワイヤー間でアーク放電を発生させ、そのエネルギーで金属ワイヤーを溶融。微粒化された溶射材料を圧縮空気で吹き付けて皮膜を形成する技術です。アーク溶射のワイヤーは電極となっているため、用いられる溶射材料は電気伝導性に優れたもののみとなります。フレーム溶射に比べると1時間あたりの成膜量が大きく、広い面積への施工を効率よく行うことができます。

参照元:シンコーメタリコンHP(https://www.shinco-metalicon.co.jp/spraying/arc.html

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引用元:日鉄ハードフェイシング公式
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引用元:プラクスエア工学公式
(https://www.praxairsurfacetech.jp/)
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取り扱う溶射技術
  • 高速ガス溶射
  • 大気プラズマ溶射
  • アーク溶射
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