表面改質技術についての基本情報を紹介します。基材に適切な表面処理を施すためには、表面改質の基礎について理解しておくことが大切。
ここでは、表面改質の種類と方法・表面処理における改質形態・機械部品の破損種類と長寿命化の方法について解説します。
表面改質の種類はいくつかありますが、代表的なものは熱処理・コーティング・機械処理の3つ。どれも製品や部品の表面を何らかの方法で処理加工するコーティング法です。
機械部品の多くは熱処理が施されています。熱処理により表面には新たな特性が追加され、高性能・長寿命化することが可能。製品全体の付加価値も飛躍的に高まります。
表面処理の特性を十分に活かすためには、個々の表面処理の特性を十分に知る必要があります。さらにそれぞれの方法についてのメリット・デメリットを確認したうえで適する表面処理法を選びましょう。
代表的な表面処理法である熱処理・コーティング・機械処理。これ以外にもいくつかの技術があり、従来の処理方法にはない効果が得られます。
表面処理は金属部品の耐久性をアップするだけでなく、フィルムやプラスチック表面の親水性・接着性を向上させる目的にも活用されます。コロナ処理は薄いフィルムやプラスチックに、プラズマ処理はプラスチックの表面処理を行う場合に効果的。
コロナ、プラズマ、フレーム、化学薬品処理、UV照射の表面処理について解説しているので、特徴を理解し基材に合った表面処理法を選択しましょう。
部品は使用していくうちに破損していきます。破損には物理的因子によるものと化学的因子によるものがあり、物理的因子のほうが種類が多く致命的。科学的因子は錆・腐食によるもので、経年劣化で徐々に進行していきます。
部品の破損で頻度が高いのは、物理的因子の破壊・変形・摩耗。
変形と摩耗は徐々に進行するため、破壊に至る前に部品交換するなど対策が可能です。しかし、破壊は突然発生することも多く、大事故に結びつくこともあるでしょう。
大事故の可能性を少しでも防ぐためには、製品を作っている各部品の耐用年数をアップすることです。そのためには部品に強度をプラスすることのできる表面改質が一般的な方法。
材質それぞれの特徴をとらえて適切な表面処理を行うことにより、機械部品の寿命が延びるだけではなく、製品全体のライフサイクルコストを削減することができるでしょう。
溶射とは、溶解・軟化させた材料を基材に吹き付けることによって皮膜を形成する表面処理の技術です。そのほかにも、金属の加工方法にはめっきや溶接などさまざまな方法がありますので、あらかじめその違いやそれぞれのメリット・デメリットについて知っておくことが大切です。