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熱伝導性

鉄鋼(高炉、転炉、連続鋳造、熱処理炉)などの熱伝導性を高めるための技術とは

熱伝導とは、物質が移動することなく、熱が高温側より低温側へと運ばれていく現象のこと。この熱伝導のしやすさを数値で表したものが、熱伝導率です。熱伝導率が高いほど熱が伝わりやすく、低いほど熱は伝わりにくくなります。熱的特性として求められるのは耐熱性・断熱性ですが、ここでは特に断熱性について触れていきたいと思います。

特に高炉、転炉、連続鋳造、熱処理炉など、高温度環境で使用される生産設備を多数持つ鉄鋼業においては、断熱性の向上による省エネルギー化への貢献が期待されています。そこで、溶融した溶射材料を基材へ吹き付けて表面をコーティングする技術である「溶射加工」が注目されています。

溶射によって形成される皮膜には、鍛造材等と違って気孔が存在しますが、気孔があると熱伝導性は低下するため、溶射加工によってできる皮膜は断熱性が高くなるというわけです。

断熱性を高めるためには、多孔質で熱伝導性の低い性質の材料・方法を選ぶと良いでしょう。断熱材料として用いられる溶射材料には、高クロムステンレス鋼・タングステンカーバイト・モリブデン・アルミブロンズ・サーメットなどが挙げられます。

参照元:
倉敷ボーリング機工HP(http://www.kbknet.co.jp/ja/ts/ts.html
大阪富士工業HP(http://thermalspray.ofic.co.jp/purpose/heat/

主な溶射材料の熱伝導率

溶射加工に用いられる材料の熱伝導率をまとめました。熱伝導性の材料は、自動車・電子工学・航空産業などに幅広く用いられていますが、目的や用途ごとに熱伝導率を調整して使用する必要があります。

参照元:
産総研分散型熱物性データベース(https://tpds.db.aist.go.jp/opendata/metal_tc.html
京セラHP(https://www.kyocera.co.jp/prdct/fc/list/tokusei/denndou/

鉄鋼(高炉、転炉、連続鋳造、熱処理炉)などの熱伝導性を高めるための溶射の種類

ここでは、溶射加工によって熱伝導性を調整できる溶射方法・材料について解説していきます。

セラミック溶射

セラミック溶射とは、セラミックの粉末を高温で溶融し、減圧プラズマ溶射・大気プラズマ溶射・高速フレーム溶射・溶棒式フレーム溶射といった方法を用いて皮膜を形成する技術。基材の熱伝導率を低くすることで、断熱性を高めることができます。

セラミック溶射で断熱性を高めるためには、皮膜を厚くすることが大事。しかし、皮膜を厚くすると剥離しやすくなったり、割れやすくなるというリスクが出てきます。そのため、目的に合わせてボンディングコートと呼ばれる下地膜を適宜使用すると良いでしょう。

サーメット溶射

サーメット(Ceramics + Metal = Cermet)溶射とは、セラミックと金属を混合した溶射材料のこと。溶射加工に用いると、金属の特性である靭性と、セラミックの特性である高硬度・耐摩耗性・耐熱性を併せ持つ皮膜を形成できます。サーメットの熱膨張率は金属とセラミックの中間程度で、熱サイクルによる破壊をやわらげる効果が期待できます。また、優れた耐高温酸化性を持っているのも特徴です。

参照元:姫路メタリコンHP(https://www.atengineer.com/pr/metarikon/20200501001.html

サーマルバリアコーティング(TBC)

近年、高性能化が進んでいる航空機ジェットエンジン・ガスタービン・高圧高速燃焼室といった装置に使用される溶射方法のひとつ。高融点材料であるサーメット・セラミックといった材料を、プラズマ溶射を用いてコーティングしていきます。断熱皮膜の厚さは、0.5~0.7μm。ボーイング社・エアバス社といった航空機メーカーでも、クロムメッキの代わりとなる表面処理技術として取り入れられています。

参照元:倉敷ボーリング機工HP(http://www.kbknet.co.jp/ja/items/plane/index.html

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引用元:プラクスエア工学公式
(https://www.praxairsurfacetech.jp/)
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  • アーク溶射
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  • 大気プラズマ溶射
  • サスペンションプラズマ溶射
取り扱う溶射技術
  • 高速ガス溶射
  • 大気プラズマ溶射
  • アーク溶射
取り扱う溶射技術
  • 爆発溶射
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※1参照元:デジタルリサーチ「2013年版溶射市場の現状と展望」(2021年12月調査時点)
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