代表的な表面処理法である熱処理・コーティング・機械処理。これ以外にも新しい技術があり、従来の処理方法にはない効果が得られます。ここではコロナ、プラズマ、フレーム、化学薬品処理、UV照射の表面処理について紹介します。
コロナ処理は、コロナ放電照射によりフィルムやシートの表面を改質して印刷の密着を改善させます。フィルム等の裏抜けやピンホールのリスクを低減でき均一性の高い表面処理が可能。
通常フィルム等の薄物にしか対応できませんが、特殊形状の電極を使うことで厚みのある製品表面も処理することができます。
注意点としてコロナ処理はオゾンを発生させるため、触媒を介すか排気をするなどの対策が必要です。
プラズマ処理は、プラズマを用いて材料表面を洗浄・処理する表面処理法です。 プラズマとは、固体、液体、気体に続く第4状態であり、気体を構成する分子が電離して陽イオンと電子に分かれた状態。
自然現象では雷やオーロラ、身近なものでは蛍光灯などがプラズマ現象になります。プラズマを材料にあてることで、材料表面の中性原子をイオン化し、反応性ラジカル種を形成します。
プラズマ処理が使用される用途は、多くはプラスチックなどの疎水性材料を親水性にする処理になります。
フレーム処理は、特にプラスチック表面の前処理として用いられる表面改質法です。燃焼ガスと空気の混合ガスを燃やすことで空気中の酸素をプラズマ化させ、材料表面の親水化を図ります。印刷・塗工・塗装・ラミネート・フロッキング・発泡・接着などに多用される技術。
フレーム処理はコロナ処理やプラズマ処理と同じく、樹脂や金属の表面活性に用いられる処理方法のひとつ。どちらも表面の光学的・機械的特性が変わることがない表面改質法です。
酸やアルカリの化学薬品により表面処理する方法もあります。一般的なのが酸化力の強い薬品によるポリマー表面の改質。材料にぬれ性や接着性を出す用途に使用されます。
処理基材の表面エネルギー値やぬれ性を向上させることによって、接着性や印刷性を良くすることができます。
UV照射は、表面に付着した有機混入物を取り除いたり、プラスチックの表面を活性化したりすることが可能です。
UV照射は低熱で表面処理ができるため、基材への熱ダメージや変形がない表面改質法。他の方法で見られる表面の欠陥、環境への影響がない優れた方法と言えるでしょう。