熱を使わない溶射技術であるコールドスプレー。一般的な溶射は素材を溶融加熱してコーティングしますが、コールドスプレーは熱することなく低温の高速作動ガスにより皮膜を作ります。熱による材料の変化がなく、皮膜の酸化を抑えられる方法です。
コールドスプレー法は、低温の高速作動ガスにより加速することが大きな特徴。主に金属の微粒子を超高速で基材へ衝突させて大気中で成膜する表面処理技術です。従来の各種溶射法と比べ、粒子温度が低く熱による材料の特性変化が少ないコーティングで、高い付着率により厚膜が可能です。
コールドスプレーは、材料本来が持つ特性に極めて近い皮膜を作る稀有なコーティング。加熱する溶射を利用できない場合は、低温のコールドスプレーが適しています。
利用できる素材は,純チタン・チタン合金7), 純アルミ・アルミ合金8),純銅・銅合金9),炭素鋼10),ステンレス鋼11),耐熱鋼12)等。純アルミニウムや純銅等の軟らかい金属は付着が比較的容易で厚い皮膜の形成が可能です。
コールドスプレー法の持つ種々の特徴により、銅フランジ、スパッタリングターゲット、超伝導モーター、ガスタービン、電池など、これまでコーティングが難しかった部分の利用も検討されています。ただ、コールドスプレーは比較的新しい技術のため、コールドスプレーに適した新規粉末材料の開発が不可欠となっています。
コールドスプレーの特徴には以下のようなものがあります。
アルミ基材へCuを約15mm成膜させ、旋盤加工したものなど
アルミ基材へNiを成膜
WCサーメット皮膜の成膜に成功。
皮膜内に若干の欠陥はあるが、ほとんど無気孔な皮膜であり、 ビッカーズ硬さは1,500HV0.3以上。
このサイトでは、各溶射プロセスの特徴ほか、溶射加工で付加できる機能・効果も解説。さらに、業界シェアTOP企業の調査レポートも掲載しています。ぜひ参考にしてください。